No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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等号の成立条件

はてなアンテナのおすすめページで見つけたブログ「のぶたのへやのブログ」2/15の記事(ちょっと古いけど)を読んで

私は等号の成立条件がなくても減点しないという同僚の先生の考えに賛成.もちろん「問題集の解答がそうだから」ではなく.

「不等式の証明でA≧Bを証明するということは、A>Bの場合、A=Bの場合を示すことなのだから当然A=Bの場合は書くべきです。」とあるけど,「A>Bの場合、A=Bの場合を示すこと」ではなく、「『A>BまたはA=B』が成り立つことを示すこと」なのでは?つまり,『A>BまたはA=B』が成り立つことさえわかればよいわけで,A=Bの場合がどうなってるかなんて聞いてない,と思うんだけど(もちろん等号成立条件まで述べたほうが丁寧ですが).

問題によっては,“本当は等号は成り立たないんだけど,等号抜きのものを証明するのは難しいから”という理由で等号付きの不等式の証明問題になってるものもあるかもしれないし…

相加・相乗平均の関係は最大値・最小値を求めるときによく使われて,そのとき等号成立の確認が必要になるのだけど,これとは別の話.そういう出題が多いことを踏まえ,等号条件まで考えて欲しいのなら「等号が成り立つ条件も述べよ」と問題文に書くべきだと思う.(そう書いてないのに減点されたら,私だったら「そうならそうと言ってよ!」って思う)

とはいえ,学校のテストなので,数学的に誤りとまではいえないものでも,学習段階であることを考えた指導(この場合は「言われなくても,等号の成立条件を意識する」を徹底させることかな?)とそれに伴う減点というのはアリかな,とも思いますが.

実際の大学入試では,減点することもあるのかなぁ.