No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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半減期〜指数関数

放射線がらみでもう1つ。
私が高校のときの数学Iの教科書*1に,こんな問題がありました。

 放射性をもった物質がある。いまからx年後の放射能をyとすると,y=ka^{-x}(k,aは定数,a>1)の関係があるという。
 いまからn年後にその放射能が今の半分になるとすると,次のn年後には,さらにその半分になる。これを証明せよ。

「指数関数と対数関数」の章の章末問題です。放射性物質半減期が題材になっていますね。
中学の理科の教科書*2には「放射能原子核の変化」という項があったので,それを受けた内容なのでしょう。高校の物理は選択教科ですし(しかも放射線の話が出てくるのは物理IIの終わりのほう)。

id:samakitaさんの記事*3によると,放射線の話は次の教育課程ではなくなっているので,「基礎解析」には同じような問題は載らなかった可能性が高いですね。調べられないので,わかりませんが。


ちなみに,中学理科の「放射能原子核の変化」の項は2ページほどで,放射線を出しながら別の元素に変わる物質があることなどが書いてあります。例として挙げられているのは^3\mathrm{H}(3重水素)(ヘリウムに変化)とウラン(だんだん変わって最後に鉛)です。まとめはこんな感じ。

 放射線原子核が変化するときに出すものであるから,その原子核をもつ原子が,どのような化合物の中に入っていても,放射線を出すことに変わりはない.
(中略:ウランの話)
 今までにとり扱ってきた化学変化では,分子が変わっても原子はかわることがなかった. しかし,放射線を出す場合には,原子の種類そのものが変わっていく.

ボールペンでアンダーラインがひいてあるので,授業でもちゃんとやったみたいです。

*1:啓林館「新訂数学I」昭和56年度用

*2:啓林館「新訂理科1下」昭和54年度用

*3:samakitaの今日もガハハ「●「放射能放射線」は、中学校理科で学んでいた!」(2011年3月15日)http://d.hatena.ne.jp/samakita/20110315/1300155139