No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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国・私立の中学・高校のこと

2013年度,東京では4人に1人が国・私立の中学に進学したそうです。千代田区なんかは40%近くだそうです。全国では7.9%ほど。*1

私は中学高校とも地元の公立。特に不満はなかったです。
「特に不満なし」だったとはいえ,都会のすごい私立中学・高校では,きっとすごい先生とすごい生徒がいてすごいことをやってるんだろうな(なんじゃそりゃ?)と漠然とした憧れのようなものはありました。単なる興味と憧れですが。だって自分は絶対行けないし(“すごい私立中学・高校”で思いつくのは灘とラ・サールくらいで,学力や学費以前に,その両方とも遠くにあってしかも男子校だったので)。公立と私立中高一貫進学校との学習進度やカリキュラムの違いに不安や焦りを感じるということもなかったです。単に私が情報に疎かったというのもありますが,実際,私の時代は私立と公立に進度差は今ほどなかったそうです。

あれから約30年。

普通の公立とのカリキュラムの違いは大きくなりました。中高一貫校用の別の教科書(検定外)もあるようです。
「勉強ができる子にとって普通の公立中の授業は無駄」「公立高のカリキュラムでは入試に間に合わない」みたいな意見がいたるところに見られます。
進学校型の公立中高一貫校もでき,人気も高まっているそうです。
中高一貫校の中には,進路の違いなどから,高校での募集をしないところも増えているようです。
私の出身地でも,中学の段階から親元を離れて県外の進学校へという人も増えているそうです。

子供の能力や性格を見据えた早期の進路選択の必要性が高まっているということでしょうか。親の責任はますます大きくなる…。

その子・その家庭にとっての“一番合った進路”がうまく選べればいいのですが,選んだ進路(とそのための方法)が一番合った進路かどうかは誰にもわからない。他の進路を体験して比べるということはできないわけですからね。同じことは人生の中のどの時期でもいえるのですが,中学進学(=本人は小学生)となると親が持っているもの(お金だけでなく,考え方,情報,…etc)によるところが大きいです。その分,うまくいかなかったときに親のせいにしたり(あるいは,親が責任を感じたり),諦めにつながったりしやすいかも…。

少々うまくいかなくても,「大丈夫だよ」と言ってあげられるような,「まぁ,いいか」と楽な気持ちになって進む道を探して歩き出せるような世の中がいいなと思います。