No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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「評価」は誰のもの?〜クローズアップ現代「生徒がつける“先生の通信簿”」1

ファミレスのレシートに「レシート番号を打ち込んホームページのアンケートに答えたらドリンクバーを割引します」なんてことが書いてあったので,軽い気持ちでアンケートに回答しました。
いいとも悪いともいえないなあ,ということで4(?)段階の上から2つ目くらいのところを中心にポチポチっとチェックを入れて次のページにいくと
  ○○が「大変満足」でなかった理由は何ですか?
という質問が…(回答はいくつかの項目から選ぶ形)。“(そんなによくもないけど)取り立てて言うほどは悪くはない”だったら「大変満足」になるはずってことなの?…ってそういう基準なら最初からそう言ってくれないと…。


というわけで満足度などの「評価」のことを…。
ファミレスじゃなくて学校の授業の評価についてです。1ヶ月ほど前の番組ですがNHKクローズアップ現代「生徒がつける“先生の通信簿”」(2013 1/15放映)を見ました。

大阪市で今年4月から始まる,公立学校の生徒(ただし小学校は保護者)による教員評価に関連した内容。
大阪市の制度は授業について生徒にアンケートを行い,その結果をボーナスや人事に反映させるというもので,2年連続で最低ランクだと免職になるというかなりシビアなものです。本当に始まっちゃうんですね…。
出てくる心配のどれもが,かなり起こりそうでどうなることやら。

番組内では人事評価とは別の視点でアンケートを活用している中学校(鳥取県・岩美中学校)の様子も紹介されていました。学期ごとに学校生活全般についてアンケートを行い,結果を教員全体で共有して問題点や改善点を探っていくのだとか。“よいことも悪いことも個人の責任にしない”ことがポイントだそうです。
大阪市が,個々の教員への“アメとムチ”を前面に押し出す形であるのとかなり違います。
大阪市もこの中学も,目指しているところは「よりよい授業」「よりよい学校生活」で同じなんですけどね。

このような評価アンケートというのは,多かれ少なかれ息苦しさを伴います。評価されるほうはもちろん,するほうにも。
人事評価への直接の影響はないといわれたとしても。結果次第で免職の可能性があるとなるとなおさらです。
番組内で大阪市の高校の校長先生の

子どもたちは積極的にそういうこと(評価)にかかわることを嫌がっている。
学校として押し付けることになればそれはそれで教育的に効果があるのか,子供たちの成長において役に立つのか非常に疑問に思いました。

という言葉もありました。

岩美中学では,アンケート(とそれに付随するいろいろ)をはじめてから学力テストの成績が4年間で大幅にアップしたそうです。アンケートを活用した授業改善がうまくいっただけでなく,教員間の風通しがよくなったこと(以前どうだったかは知りませんが),先生たちみんなが学校全体をよくしようとしているのが生徒にも伝わってくるというのが大きかったんじゃないかと思います。きっと学校全体がのびのび学べる雰囲気が強くなったのではないかと。
大阪市もまずはこういう形を目指せばよかったのではないかと思います。