No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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アイなんていらない〜虚数単位のこと

“わけのわからない数”である無限小数も一応「数」として認め,なんとなく親しんでいったわけですが,高校1年のとき,今度は“何の意味があるの?”という数が出てきました。
2次方程式の解について習ったときに出てきた i (虚数単位)です。
   i^2=-1
となる数です。この数のおかげで実数係数の2次方程式はすべて解をもつ(しかも公式で求められる)ことになるのですが,そのとき思ったのは…
   だから何?

確かに実数係数の2次方程式は全部解けるようになったけど,そのための数を考える意味って何? 別になくてもいいんじゃないの?
と思ったわけです。
で,このときは,授業の後,そのことを先生に聞きに(言いに?)行きました。

先生は怒りもあきれもせず,いろいろと説明してくれました(内容は覚えてないけど)。説明の意味もその価値もよくわからなかったのですが(先生すみません…),どうも「i」の存在意義は「2次方程式が解けること」以外にもあるらしいということはわかって,安心(?)しました。


虚数単位のことで1つ引用。

「とても思慮深い数字だからね,目につく所には姿を現さないけれど,ちゃんと我々の心の中にあって,その小さな両手で世界を支えているのだ」

     (「博士の愛した数式」(小川洋子)より)