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大阪の条例案・教育委員会についてのアンケート

昨日(2012年2月17日)の新聞に,大阪維新の会が掲げた条例案の中の「首長が教育目標」についてと教育委員会制度についてて知事や指定市長にアンケートした結果についての記事がありました。

記事の見出しは,「首長が教育目標」については

  「首長が教育目標」大阪条例案
  6知事3指定市長,賛成

教育委員会制度については

 教育委員会制度も賛否
  責任あいまい■政治から距離

でした。なんだか,条例案に賛成,教育委員会制度に否定的な知事が目立つという印象です。条例案の方向,教育委員会制度見直しの方向に進んでいってると感じる人もいるかもしれません。

記事を読んでみると

   賛成…6知事3指定市
   反対…5知事1指定市
   どちらでもない…22知事10指定市
   無回答…13知事4指定市長  
    ※記事では5県と3市長でしたが,地図では13県でした。
     指定市の数については,もう1つのアンケートによると指定市が18だったことから4と推測。
     記事の「全ての質問に回答しなかった」は「1問も回答していないのが5県3市長(残りは一部のみ無回答)」という意味かもしれません。

「賛成」の知事は強い意見を持っている人が多そうですが,数だけで見ると賛成と反対はそう変わりません。「どちらでもない」「無回答」が圧倒的ですから,知事の大半は意見表明に慎重です。

また,教育委員会制度についても,不満があるかどうかについては

   ある…12知事8指定市
   ない…22知事6指定市
   無回答…12知事4指定市長 

半数近くの知事が「ない」です。「無回答」も多い。「ある」は全体の3分の1弱にすぎません。

条例案を出した大阪市長教育委員会制度への不満も口にしていましたし,「首長が教育目標」の意味を考えても,「賛成」の首長のほとんどは「ある」と答えたんじゃないかと思いますが,「賛成」は「ある」の半数程度です。
現行の教育委員会制度に不満はあっても,首長が教育目標を定める(=政治が教育に直接働きかける)ことには慎重な首長も多いことが予想されます。

関心をもってもらう・読んでもらうためにはセンセーショナルな書き方が不可欠ということかもしれないけど,何だかなぁ…。
1つめのアンケートの見出しは,「6知事3指定市長,賛成」を「賛成は6知事3指定市長」とすれば印象はかなり変わりますね。「賛成は6知事3指定市長のみ」とすれば逆の印象になりそうです。
危機感を持ってもらうことが狙いかもしれませんが,注意深く読んでいく必要がありそうです。