No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

※はてなダイアリーから移行しました

かけ算

掛け算のことで考えたこと。
時間があるときにきちんと考えてみることにして,とりあえず書いてみます。
的外れなことを書いているかもしれないけど…。

「○の△倍」と考えたときの○×△って,ベクトルの実数倍(スカラー倍)みたいなものかな? ○がベクトル(1次元),△がスカラー。だから,ベクトルの実数倍は同じ種類のベクトルだから,○×△もベクトル(だから,○と同じ種類の量になって同じ単位になる)。
(ベクトル)×(実数)=(ベクトル)。ベクトル1つと実数1つの組にベクトルを1つ対応させる対応。

この意味での,○×△をf(○, △)と書くことにすると,○に入るのはベクトル,△に入るのは実数だから,f(a,b)とf(b,a)を考えることはできない。

英語圏では「○の△倍」は△×○で,(実数)×(ベクトル)=(ベクトル)。
高校で習うベクトルの実数倍の実数がベクトルの前に書くことと関連してるかも。


ところが,掛け算の交換法則の話では,(実数)×(実数)=(実数),つまり単に2つの実数の組に1つの実数を対応させる対応として考えているように思います。

この意味での,○×△をg(○, △)と書くことにすると,○,△どちらも実数だから,g(a,b)とg(b,a)を考えることができて,g(a,b)=g(b,a)が成り立つ。


掛け算の順序交換で疑問や議論が尽きないのは,導入ではf(a,b)の意味だったa×bがいつの間にかg(a,b)の意味になっている(あるいは,f(a,b)の意味とg(a,b)の意味がごちゃ混ぜになっている)せいかもしれません。