No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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地域に学び,学びを地域へ

地元の情報紙を見て「数学者の秋山仁の講演会だ!」ということで,すぐに参加申し込み。今日がその講演会でした。


イベントの目的は講演会ではなく「戦略的大学連携支援事業成果報告会―地域に学び,学びを地域へ―」なので,講演会の前に事業についての説明,講演会の後にはパネルディスカッションがありました。せっかくなので,最初から最後までいたのですが,なかなか有意義でした。


地元の3つの小さな大学(山口県立大,山口東京理科大山口学芸大学)が連携して「e-quality仮想的大学」というICTを活用した学習空間を開設したそうです。
公立と私立が連携しているんですね。まだ始まったばかりの取り組みのようですが,高校生や地域住民も幅広くアクセスできるものになるとか。「学び」を通じて学生を育み,地域を活性化するのが目的とのこと。
どんなものになっていくのか楽しみです。「学び」は子どものときの学校の勉強だけに限定されるものではないということが広がっていくといいなと思います。


秋吉台の科学博物館の名誉館長さんが言った(ビデオ)
   「地域だけではアマチュアの研究になってしまう。最先端に近づくには大学との連携が欠かせない」
の言葉も印象に残りました。単なる「地域の人の趣味のサークル」にしない気持ちが必要なんだと思います。
学びを「地域に広げる」だけでなく,地域から日本(あるいは世界)へ広げるという気持ちを持っていたい。


お目当ての秋山先生のお話も大変おもしろかったです。
前半は教育のことで,吉田松陰の言葉を引用しながら教育について大切なこととか,前回の指導要領改定(小の旧課程,中高の現行過程)のときの内容を決める委員だった話など。
   水槽のように知識がただ入っているのでなく泉のように湧き出すものにしたい。クリエイティブな能力を生み出す泉を若者に沸き起こすことが教育の責務だ。
というような思いから生まれたカリキュラムだったそうです。報道では伝わってなかったように思うけど

後半は数学の話。数学は役に立ってるんだよという話のほか,自作のいろいろな道具を使って円や球の面積・表面積,体積の公式や楕円の焦点の性質…etcがわかる実験をしてくれたり。


お話の後には,女優の由美かおるさんと2人でアコーディオン演奏。
初めて見る実物の由美かおるさんは,私よりもかなり年上なんですがお人形さんのようにかわいかったです。