No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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教育の効果

内田樹の研究室の11月24日の記事「平松さんの支援集会で話したこと」の最初は,「教育現場にドラスティックで急激な変化は馴染まない」という話。

それによって一番混乱するのは現場の教師であり、一番被害を受けるのは当の子供たちです。猫の目のように教育行政や教育現場のルールが変わることで利益を得るものは教育現場にはおりません。
(中略)
子供たちの成長速度という生物学的な縛りがあるんです。それに合わせて、変えるにしてもゆっくり変えなくちゃいけない。

そうですよね。どんなによい(と思われる)変革でも,現場は多かれ少なかれ混乱するだろうし,その影響を受けるのは子供たち。親も不安になります。特に急に変わると不安。

ある教育方法を導入してから、その効果を検証をするまでには、10年から20年、場合によっては30年、40年かかります。2年や3年で効果が分かるはずがない。

これも共感。でも,いつも教育課程を変更から2〜3年で「やっぱり,今回の変更は失敗」という感じで教育課程の変更の話が進んでいってるような気がします…。

たしかに社会は急激に変化していきます。政治だって変わる。でも、そうした外の社会の変化のスピードに学校は合わせちゃいけないんです。

社会の急激な変化に合わせちゃいけないし,実際のところ合わせられないわけで,じゃぁ,どうすればよいかというと
   社会が変化しても変わらないこと
   社会が変化しても変えちゃいけないこと
を教えればいいんだと思います。
“一生もの”の勉強を教える。「今の勉強は一生ものだよ」と教える。

今の学校が教えていることも,きっと大部分はそうなんですけどね。
で,社会が変化しても変わらない,一生ものの勉強の代表的なものは,やっぱり算数・数学でしょう。