No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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デジタル教科書についてのシンポジウム

ニコニコ生放送で「デジタル教科書教材協議会(DiTT)シンポジウム生中継 「ビジョンからアクションへ!ICT教育で世界をリードする!」」*1を見ました。
東京の会場で行われたものの中継です。気づいたときには時間を過ぎていたので,本当の“生放送”を見たわけではないですが(コメントできない以外は同じなのかな?)。

地方在住でしかも何も肩書きもない,それに何が何でも聞きたい!というほどでもないし…となると会場まで行くのはかなりハードルが高いですが,こうして気軽に視聴できるの機会があるのはうれしいです。
画面上に流れるコメントの中には興味深いもの・鋭いものもあって面白かったです(もちろん,しょーもないものもたくさんありましたが。コメントを読むのに一生懸命になって肝心のシンポジウムの内容がおろそかになってしまうことも…。隣の人と小声でおしゃべりしながら聞いてるのと同じですね (^^; )。

シンポジウムは終始「デジタル教科書は素晴らしいもの」「不安は取るに足らないもので問題は費用のみ」というスタンスで進んでいきました(ややネガティブな発言はあっても司会の石戸奈々子さんが修正していく感じ)。後半はパネルディスカッションだったのですが,ここでもパネリストは「導入は当然,導入しないのは遅れてる」という立場の人ばかりで,しかもそれぞれがそれぞれの意見をの述べるだけで「ディスカッション」という感じがあまりしなかったのは残念でした。ばら色の未来しか考えていないようでなんだか不安だなぁ。費用対効果だけの問題なのかなぁ。

ニコニコ生放送」は2万人以上が視聴したようですが,会場にもたくさんの人がいました。
ネットで配信され,資料もネット上に用意されているし,終了後にアンケートへの回答もできる(おまけに集計結果もすぐに表示される)のに,どういう人が何を求めて平日の昼間にわざわざ会場に行くんだろう。“場の空気”を共有する楽しさや緊張感を求めてということでもなさそう。デジタル教科書に興味がある人がネットが見られないということはないだろうし…。
教育関係の人が「関心がある」という意思表示のために参加するのかな,と考えていたのですが,パネリストの一人の陰山英男氏が会場に尋ねたところ,学校の先生や教育委員会の人はほとんどいない(一人ずつ?)ようでした。IT系などの会社の人が多かったようです。シンポジウムの出席とその後の懇親会でビジネスにつなげたいということなのかな。

会社にとってはビジネスチャンス,国や自治体にとっても経済的には内需拡大・税収アップにつながるという期待はありますが,導入の効果や問題点を考えるときには,経済的なことを抜きにして考えることができないと危険だと思います。

*1:2013年6月17日放送 http://live.nicovideo.jp/watch/lv139592654,DiTTホームページ内の紹介ページはこちら