「すき」という気持ち〜「スゴつぶ 〜スゴいつぶやきを詠む深夜の句会〜」
「スゴつぶ 〜スゴいつぶやきを詠む深夜の句会〜」(2013年3月16日)見ました。
NHK山口放送局の番組で公開生放送(中国地方のみ)だったそうです。
オフィシャルホームページとtwitterがあります(twitterで番組のようすがわかります)。
「スゴつぶ」とは,公式ページによると
「つぶやき(ツイート)こそ、現代の自由律句(自由律俳句)である」というテーゼの元、つぶやきの文学性を堪能しようというプロジェクト
で,番組ではtwitterで投句された句にゲストの方々がコメントしたり「○○賞」とかを決めたりします。
今回の作品で一番印象に残ったのは,枡野賞*1になった
「いらないけどすき」@barubaru000
はかないけど買ってしまうベージュのズボンのこと(又吉さん)とか,すきだからこそ会いたくない(=「会う」という状況がいらない)人のこと(枡野さん)とかのコメントがありました。
「すき」という気持ちって,使うかどうか(さらには,使ったことで何か利益になることがあるか)とか,所有している(または所有したいと思う)かどうかとは別のところにあるんだよな,と気づかせてくれる句でした。「必要性」や「行動」などの外から見える要素がなくても,「すき」という気持ちは存在しているかもしれない。小さくはかない「すき」かもしれないけど。それぞれの人の中でたくさんの見えない「すき」が静かに微笑んでいるのを想像して,あたたかい気持ちになりました。
ゲストのコメントには,「逆に「いるけどきらい」てのもあるよね」(枡野さん)というのもありました。
昨今の教育政策,教育に関する報道では,「必要性」がすごく強調されています。どんなところで「必要」になり,それによりどんな得があるかが具体的に示すのがはやりです。でも,“必要性を重視することの大切さ”を強調することで,かえって「いるけどきらい」を生み出したり,「いらないけどすき」を許さなかったりしてるんじゃないかと思うことがあります。
「数学=苦手,難しい,役に立たない・使わない」で,その先には「きらい」しかないと決めつけている人もいるんでしょうが,「いらないけどすき」もありですよ。