No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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おばばさまと算術〜「武士の家計簿」

DVDで「武士の家計簿」を見ました。
代々加賀藩の御算用方(今でいうと経理担当の地方公務員かな)を勤める一家が,主人公(堺雅人演じる猪山直之)の主導で家財売却と節約で借金返済して家計を立て直すお話。直之とその家族は実在の人物です。

ストーリーとは関係ないところで注目したのは,おばばさま(直之の祖母)。
算術にはまったく興味なしという感じの常(直之の母)と対照的に,おばばさまは一人で算術の問題を解いたりしてるみたいでした。本は塵劫記かな。息子や孫に問題を出したりもしていました。

仕事や実用とは関係なく数学に親しむ場面としては,一人で問題を解くか,子どもなどに教えるかしかないとうことか(おばばさまは問題を出すことと答え合わせ(「正解」と言う)だけだったけど)。
当時だったら算額の奉納なんかで腕を競い合うなんてこともあったみたいだけど,年配の武家の女性がはりきって参加するものでもなかっただろうし。
まあ,おばばさまの様子は創作でしょうが。

もう1つは,作品の中で使っていたそろばん。
現在のものと違って,珠が上に2個,下に5個でした。昔はこんな形だったんですね。ここ*1を見ると,明治時代には上が1個,下が5個のタイプが普及したそうです。成之(直之の子)は新しいタイプのそろばんも使ったんだろうか。それとも古いMyそろばんを使い続けたんだろうか。

*1:「そろばん-Wikipedia