No Haste, No Chains ~数学の教育をつくろう~

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私がちびまるこちゃんだった頃〜「滝山コミューン一九七四」1

1974年といえば「ちびまるこちゃん」の舞台。

「滝山コミューン一九七四」(原武史/講談社*1は,同じ頃の同じく小学校を舞台としたドキュメンタリー。著者自身の記憶と記録(日記),同級生へのインタビューなどをもとに書かれたもので,「学級集団作り」などの手法による集団主義教育が進んでいく様子とそれに対する著者の感じた違和感を中心に書かれています。1974年は著者が6年生になった年です。
私はその頃,シビアな班競争とも中学受験とも無縁でまさに「ちびまるこちゃん」な地方ののんきな小学生でした。

ドキュメンタリーということで,当時の教育や教育についての出版物や報道についても知ることができます。
興味深い箇所はたくさんありますが,ひとまず1箇所。

 七二年八月に出版社の太郎次郎社が創設されたときから,『ひと』の創刊準備は始まっていた。当時の学習指導要領のもとで,小学校で六五パーセント,中学校で八〇パーセントにおよぶ「落ちこぼれ」がいるといわれていた。

1972年8月なので,「当時の学習指導要領」が指すのはきっと「現代化カリキュラム」のことなんでしょうが,「現代化カリキュラム」の施行は小学校が昭和46年(1971年),中学校がその翌年(1972年)。始まったばかりです。カリキュラムのせいにするのは早すぎる気がします…。

*1:

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)