数学は役に立つ。だから…
先日の講演会のお話によると,秋山先生は
「数学は役に立つ。だから,つまらない公式を次々と詰め込むような教育でなく,公式の成り立ちやどんな風に役立ってるかをじっくり学べるような教育にすべきだ」
と考えて,現行過程(小学校では旧課程)の“超ゆとり教育”の教育課程をつくったそうです。
それはわかるんだけど,だからといって難しいこと・(はじめの段階では)つまらないことを避けるような教育ってどうだろう?
実際,この教育課程を「難しいこと・つまらないことはやらなくていい」というメッセージに受け取った人も多いようだし。
同じ課程の導入の際,導入に反対している人の意見には
「数学は役に立つ。こんな高度な技術にも使われている。だから難しい数学をやる必要がある。」
というのも多かったと思います。すごい職業(高い地位や収入,…etc.)に就くのに必要な素養だというものもあったように思う。
それもわかるんだけど,ほとんどの人は高度な技術の開発には携わらないし(出来上がったものを使うだけ),すべての人がすごい(って何だ?)職業に就けるわけではないし,そもそもすべての人が就きたいと思ってるわけでもない。
「数学は役に立つ」と強調すればするほど,なんだか,数学がみんなのものでなくなっていくように感じてしまいます。